017)乃南アサ

2009/04/18

暗鬼

暗鬼
著者:乃南アサ
★★★☆☆

去年の12月にご紹介した「七つの怖い扉」という短編集に乃南アサ氏の作品があり、雰囲気がとても気に入ったので、別の作品も読みたいなと思っていたところ、コメントをくださったりえこさんの推薦もあり、本書を手に取った。

表紙の紹介文を引用。

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両親、弟妹、祖父母に曾祖母。今時珍しい大家族に嫁いだ法子を待っていたのは、何不自由ない暮らしと温かい家族の歓待だった。しかしある日、近所で起きた心中事件に彼らが関係しているという疑惑を抱いた法子は、一見理想的な家族を前に疑心の闇にはまっていく。やがて暴かれる、呪われた家族の真実とは...。

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上記「七つの怖い扉」での短編「夕かすみ」とこの「暗鬼」。両作品ともにミステリアスな雰囲気が作品全体に漂っていて、静かなスリルがゆっくりと迫ってくるような力がある。
人物描写、心理描写がとても丁寧に描かれていて、ドラマを観ているような感覚で読めたので、ほんの数時間で読み終えてしまった。

家族って何?
周りがみんなひとつの秘密を共有しているのに、自分だけが何も知らされない法子の猜疑心。それはまさに疑心暗鬼という言葉がピッタリな気持ち。

私は途中でこの家族の秘密はわかっちゃたけど、それでも最後まで飽きさせずに読者を引っ張っていく力は衰えなかった。

ただ、最後が少し残念。
はっきりとした答えのない問題を投げかけられたような、そんなもやもや感が残るのだ。
それとも、答えなんてないのかもしれないな。

描かれている世界は、人によっては受け入れられず拒絶反応を示したりするのかもしれないが、この手の話は何作も読んでいるので、私は普通に受け入れられた(あくまで小説の中の世界では、という意味で)。

作品全体の雰囲気はとても好きなタイプなので、他の作品をまた探したいと思う。

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