サラ金道 金の借り方返し方裏の道
サラ金道―金の借り方返し方裏の道
著者:大久保権八
★★★★☆
TVでは趣向を凝らしたCMを始終流し、街中には派手な看板が花盛り。
「サラ金(消費者金融)」にも、いろんな会社がある。
会社ごとに結構特徴があるものなんだな。
それぞれに「貸し金」道みたいなものがあるのか?
サラ金生活約20年、一度も遅延することなく返し続けては借り続けていた著者が、とうとう「ブラックの人」になってしまい、訪れたのは簡易裁判所。
「特定調停」の手続き上で起こった調停員との一悶着から本書は始まる。
調停員って、公務員や民間の会社を退職された人が、ボランティアみたいな感じ(実際は非常勤勤務で、少しながら報酬はある)で勤めてるらしい。
要するに、ほとんどが「サラ金」と縁もゆかりもない方々。
そんな人間が「サラ金会社」と「債務者」との間に立って、調停を行うというのはちょっと無理があるのでは?
「サラ金会社」側がちょっと知恵を働かせば、自分たち有利に事を運べる。
調停員はそれを見破ることができない。
債務者は「変だな」と思ったところで、何も言い出せない...なんてことになりそうだ。
実際にそういうことがあって、その経緯が書かれている。
これから「特定調停」を、と思っている方、是非読んでいただきたい。
対応の心構えが変わってくるだろう。
この本で一番認識が変わったこと。
「金利が安けりゃ、良いってもんじゃない」
実際の利用者からすれば、そう言うもんじゃないらしい。
しかしこれは、この著者だけの受け止め方かもしれない。
ほかの利用者の意見も聞いてみたいと思う。
私はこの方の意見に納得したが。
つまり、金利が安いということは、貸し手がそれだけのリスクしか負わないってことなのだ。
2000年06月に、実質年利の上限が、それまでの約40%から、29.2%に下げられた。
サラ金会社は利益をこの利息から得ているわけだから、体力のある大手はともかく中堅の会社は、かなりダメージを受けたよう。
それまでは30%後半の利息で営業していた中堅の会社は、他社の借入が多い債務者でも受け入れることができたのだ。
それだけの許容量があったものが、上限年利が10%近くも落ちたものだからリスクの大きな債務者を受け入れることができなくなってしまった。
そうなると、借入額の多い債務者はどうなるか?
それまで受け入れてくれたサラ金会社から蹴られて借金のやりくりができなくなり、にっちもさっちもいかなくなるという訳。
自己破産せずに全ての借金を返済しようとしている著者のような人からすると、この出資法の改正は「改悪」になるのだ。
実質年利の引き下げは、決して喜ばしいものではなく、逆に迷惑この上ないものだったのである。
なるほど、こういうとらえ方もあるのか、と思わないだろうか?
ま、そもそも借金するなよというツッコミは、おいといて。
その後もまた出資法と利息制限法との間のグレーゾーン撤廃が決まった。
さらに金融会社は客を選ぶようになり、闇金と呼ばれる商売が根を伸ばす可能性もあるだろう。
これから先、何があるかわからない。
もしかしたら、お世話になるかもしれない「サラ金」。
一度、予習しておいてもいいと思う。
キレイなお姉さんたちが爽やかに微笑んでいるCMとは違った、それぞれの会社の「素顔」が見えるかも。
相手の正体。知っていると知らないとでは、大きく違ってくるものだ。
ただし、この本が出版されたのは2004年。
その後、サラ金業界を取り巻く環境は変化した。
それを念頭において、読んでほしいと思う。
くれぐれも、ご利用は計画的に、である。
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