超・殺人事件-推理作家の苦悩
超・殺人事件―推理作家の苦悩
★★★★☆
全部で8つの短編集。
ほとんどの作品の主人公は、ミステリー作家たち。
ミステリーを書いている合間に、その舞台裏がちょこちょこ出てくる。
登場するミステリー作家たちは、ある意味で読者を無視して、自分たちの都合のいいミステリーを作り上げていくのだが、それが売れてしまうのも、また皮肉なものだ。
1.超税金対策殺人事件
突然売れてしまったミステリー作家。
収入が急に増えて気前よくお金を使っていたけど、所得税の概算を見てビックリ!
ちょっとでも税金を減らそうと、経費をでっち上げるためのミステリーを書かなきゃいけなくなってしまった。
めちゃめちゃなこじつけミステリーが読める。
2.超理系殺人事件
全く意味のわからない理系の専門用語が飛び交うミステリー。
最後のオチは、途中から予測はできたけど、読後感はすっきり爽快。
だけど、ほとんど読み飛ばした。
だって、意味わからないし(^^;
3.超犯人当て小説殺人事件
売れっ子作家が、次の新作を賞品にして、自分のミステリーの犯人当てゲームで、担当編集者たちを競わせる。
ちゃんと犯人を当てた編集者に、新作をあげるよってことだ。
「やっぱりね」っていうオチのあとにも、まだストーリーがあるんだよな。
4.超高齢化社会殺人事件
90歳を過ぎたミステリー作家が、はちゃめちゃなミステリーを書く。
さっき殺されたはずの人が、生き返って証言してみたり。
書いた本人が、誰が殺されたのやら、誰が犯人やらわからなくなってるのだ。
この短編集の中では、一番のお気に入り。
でも、オチは、そんなに意外でもなかったな。
5.超予告小説殺人事件
自分の作品どおりに殺人が起きてしまうミステリー作家の話。
ある時、その犯人から連絡がきて...!
最後はちょっと期待はずれ。
だって、「あの人」が犯人だと思ってたのにさ...。
今ひとつのどんでん返しが欲しかったよなぁ。
6.超長編小説殺人事件
ミステリー界の評価基準は何と言っても「原稿枚数」だってことで、とにかく枚数を増やすことに執念を燃やす編集者と、そんなの無理だよ!と言いながらも、文章を水増しして頑張る作家の話。
最終的に書店に並んだとんでもない「超長編小説」。
買いたいとは思わないけど、見てみたい気はするな。
7.魔風館殺人事件
連載最終回になっても、犯人もトリックも何にも思いつかない作家の苦悩を書いた作品。
何だかなぁ...って感じだ(^^;
でも連載している作家って、案外こういう感じなのだろうか。
8.超読書機械殺人事件
その本を読まなくても書評が書ける機械ができた。
それをきっかけに、出版界に異変が...。
なかなか皮肉たっぷりな作品。
読む本を選ぶ基準を「他人の評価」にばかり頼っちゃいけないよってことなのかもしれないよね。
しかしまあ、この作家さんは幅が広いな。
「白夜行」を書いた人と同じ人とは思えないよ。
いろいろと楽しませてくれる貴重な作家さんだ。
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