となりの「愛犬バカ」
著者:勝俣和悦
★★★★☆
今日、ペットショップに行ったとき、レジのそばに本書が積まれていたので、またつい「タイトル買い」をしてしまった。
しかし、この本は有用であったと思う。
著者は若い頃から動物に関わる仕事に就かれていた方である。その中で、様々な犬を見てこられただろうし、様々な飼い主を見てこられただろう。
よくあるイヌの飼い方の本に書かれているような初心者へのアドバイスも、もちろん載っているが、「私はちゃんとした飼い主です。私の可愛い子を不幸になんてしてないわ」とおっしゃる「愛犬バカ」(私はどちらかというと「飼い主バカ」じゃないかと思うのだけれど...。)についても触れられている。
ペットショップで一目惚れして犬を買い(「飼い」ではない)、なんの躾もしないで、手もつけられない暴れん坊になったから、もういりません、という人間も少なくないのではないか。なんて身勝手なんだろう。
逆に、人に愛情を向けられず、犬にばかり目を向けてしまう人が増えているともいう。
ちょっと私にとっては耳が痛い話だが、犬を溺愛してしまうケースだ。
私もダンナには申し訳ないと思っているが、若干、犬中心の生活になってしまっていることは自覚している。
今、私の家族となっている犬が天国へ召されたとき、ペットロス症候群になるであろうことも、容易に想像できる。
しかし、著者には申し訳ないが、私は直せない。
犬がまだ若ければ、躾のし直しや、犬との距離の取り方など、考え直すこともできるだろうが、ウチにいる犬はもう老犬である。15歳くらいだろうか。心臓も悪く、発作を起こせば、いつ死んでしまうかもわからない(こんなことを書くのさえ嫌なのだが...)。今更、辛い思いをさせて、躾しなおすより、今まで通りの対応で、安らかに眠ってくれるまで見送ろうと思っている。
そして、初めて「捨て犬の十戒」というものを知った。
「犬の十戒」は何年も前から知っており、自分のサイトにも拙い訳ではあるが載せている。
「捨て犬の十戒」は、「犬の十戒」よりも、切ない。
いろんなサイトで掲載されているが、こちらにも引用させていただきたい。
***捨て犬の十戒****
1.ボクを迎えてくれたときの事は決して忘れません。
暖かい家族の中で幸せでした。ご主人様との楽しい思い出は決して忘れません。
2.ご主人様が望んでいるようには振る舞えなかったかも知れません。
僕はあまり可愛らしくなかったかも知れません。
でも、ご主人様に喜んでもらいたくて、精一杯頑張ったことだけは本当です。
3.ご主人様がいなくなっても、きっと迎えに来てくれると思って待っています。
側にいられなくなった訳は良くわからないけど...、
僕を嫌いになったからじゃないと自分に言い聞かせています。
4.僕を産んでくれたお母さん、お父さんに、ありがとうって言いたい。
こうして楽しい思い出を宝物にできたのも、命を与えてくれたからです。
生きているから味わえたのです。ありがとう。
5.今は、たくさんの仲間たちと一緒に暮らしています。でもみんな悲しそうです。
僕もなぜか寂しい、物足りない気持ちでいっぱいです。
6.多くの仲間達は、連れて行かれ二度と顔を見ることもない毎日です。
そのときの悲しそうな目を見たことがありますか。
7.一部の仲間達は、たまに新しいご主人様が連れて帰ります。
ご主人様が迎えに来てくれないなら、僕も新しいご主人様に連れて行かれるかもしれない。優しいご主人様だったら嬉しいけど...。
8.僕にはご主人様を選ぶことはできません。
でも僕を迎えてくれるご主人様が、どこかにいるかもしれない。
もしそうなったら、今度はもっともっと気に入られるように頑張ります。
9.ご主人様、早く僕を迎えに来てください。
そして今度こそずっと側に置いてください。それだけが僕の願いです。
10.ご主人様、これだけは覚えておいてください。
僕だって生きているということを。
心だってちゃんとあるということを。
天に召される最後の時まで、ご主人様に尽くしたいと思っていることを。
*************
書いていて、胸が痛む。
動物を擬人化するのも度が過ぎてはいけないが、この十戒に近い感情を犬たちは持っていると思う。
今から犬を、または猫を家族に迎えたいと思われている方、一度、読んでいただきたい本である。反面教師となる飼い主が多く載っている。
愛玩動物と一緒に暮らすということは、その命が尽きるまで責任を負わなければいけない。そのためには自分の時間を削らなければならないこともあるだろう。自分の遊ぶためのお金を削らなければならないこともあるだろう。それを厭うならば、動物と一緒に暮らしてはいけない。その資格がない。
中には、自分を振り返って反省する部分もあったが、大いに勉強になった一冊であった。「捨て犬の十戒」を知っただけでも約800円以上の価値はある。
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