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2009/07/31

狡猾なる死神よ


狡猾なる死神よ

  • サラ・スチュアート・テイラー、野口 百合子
  • 東京創元社
  • 1029円
Amazonで購入
書評/ミステリ・サスペンス

★★★☆☆

本が好き!」より献本いただきました。

28歳でハーバード大学の助教授であるスウィーニー・セント・ジョージ。彼女の研究対象は墓石である。様々な時代の墓石を調査し、いつ頃、誰による作品なのかが興味の対象なのだ。
その彼女を惹きつけるひとつの墓石。
舟の中に横たわる美少女の死体。それに覆い被さるように死神が配置されている。作成された時期と、作品の傾向との不合が彼女の興味を引いた。
その墓地の近くにある親戚の家に一緒に行かないかと友人トビーに誘われたスウィーニーは、最初は迷うものの、その墓石に眠る女性の子孫が突然亡くなったことに疑問をもち、ついていくことにした。

さて、このミステリ。難を言えば登場人物が多すぎるのである。現代に生きる人々、何十年も前の芸術家達、それに関わる村人。誰が誰の息子で、誰と誰が恋人なのか、本気で集中しなければ、そのミステリの世界に入り込めない。しかし、中盤を過ぎる頃から、どんどんと話が加速していき、最後まであっという間に読み終えてしまった。

最初に怪しいなと思った人物が、やはり犯人だった。ミステリの読み過ぎか、こういうことには勘が働くようになったようだ。
トリックや動機など、ミステリに関するものについては、全く面白味はない。
ただ、芸術家村という一風変わった場所に住む人々の生活ぶりは楽しく読めた。ミステリではあるけれど、謎を解くより冒険を楽しむと言った類のものだと、私は思う。
それと、芸術作品の描写。これは美しかった。実物を想像してみたとしても、その美しさには到底及ばないだろう。
各時代の芸術作品や詩歌が登場するが、こういったものに造詣が深い方なら、もっと楽しめる作品だ。

このスウィーニー・セント・ジョージ女史が主人公になる作品がシリーズ化されているという。機会があれば読んで、この作品と比較してみたいものだ。

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2009/07/28

聖ロザリンド

聖ロザリンド
著者:わたなべまさこ
★★★★★

ホラーコミックである。
初めて読んだのは、小学生の頃だっただろうか? それとも中学生だっただろうか?
一度読んだら一晩中は明るくしなければ、眠れないくらいなのに、何故か何度も読んでしまうのである。

主人公は可愛い美少女ロザリンド。
金色の髪、バラ色のほほ、天使のような微笑みが美しい少女。
しかし、彼女には「人の死」というものが理解できないのである。
自分の欲望を満たしたい、あるいは、その人を助けたい、そのために選ぶ手段が殺人なのだ。だが、「人の死」が理解できない彼女には悪いことをしたという罪悪感は全くない。無邪気に殺人を繰り返す。そこがゾッとするところだ。また、子供であるがゆえに殺人の手段が残酷だったりするんだ。
人を助けたいと思うがゆえに、その人を殺したりするんだよ。
たとえば、何かの弾みで「もう死んでしまいたいわ」なんて言ったりすると、殺されちゃう。
あぁ、怖いよ~、ロザリンド。

1970年に描かれたコミックなので、現在では入手は困難。中古であればまだ手にすることは可能である。私も今回、中古本を購入。思ったよりキレイだったのでホッとした。

ホラーコミックの頂点だと思う一冊だ。

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2009/07/22

また読書から遠のいていく。。。

大切なウチの家族のシロ(犬・♂)の具合が悪かったり、私自身の体調が悪かったり、いろんなことが重なって、本に手が伸びません。
あ~ぁ、何だかすべてやる気しないなぁ。。。
せめて、シロが元気になってくれたら。。。

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2009/07/11

フラッタ・リンツ・ライフ


フラッタ・リンツ・ライフ(中公文庫)

Amazonで購入
書評/SF&ファンタジー

★★★★☆

prologue

今回の「僕」は、「クリタジンロウ」らしい。
これまでの「僕」(カンナミ・クサナギ)と違って、少し人間的な香りがする。
スカイ・クロラで、カンナミはクリタの後任になる。
どういういきさつで、クリタの命が奪われたのか。
さて、読んでみよう。
今度も、今までのように、新しい世界が広がるのだろう。

今回、明かされる謎はなんだ?

episode 1: outside loop

クリタは、不思議なヤツだ。
どんなヤツなのか、まだわからない。
クサナギのように、何かに固執するわけでもなく、トキタのように気楽に生きているわけでもなく(トキタが気楽に生きているというのは、私感だけれど、見損なっているのかもしれない)。

クサナギに幼い頃があったんだなと思わせるエピソードがひとつ。
幼なじみがいるそうだ。
ただの幼なじみ?
そこにも少し引っかかりを感じる。

自分はただ飛びたいだけなのに、昇進してしまったため、飛ぶ以外の仕事をこなさなければならない、みすみす部下を死に追いやらなければならない状況に我慢が出来なくなってきているクサナギ。
それを知ってしまったクリタ。
この先の展開は?

それにクサナギはまだこだわっている。ティーチャに。
それのみに執着している気もする。

そう思うと、クリタは何にも執着していないな。
生きることにも、死ぬことにも。
それって、楽しい?
そう聞いても、
何故楽しくなければならない?と聞き返されそうだ(苦笑)

episode 2: immelmann turn

クリタは感情的になるということがないのだろうか。何を聞いても、体験しても、不思議なくらい冷静だ。
クサナギと幼なじみの女性、サガラ。彼女からクサナギに関する秘密をほのめかされたときでさえ冷静だった。自分の家への帰る方法の心配をしていたくらいだから。

クサナギは激昂することがあった。
ティーチャとの戦いを反故にされたとき。
クリタはそういう気持ちは持たない。

クリタが普通の女性だと、キルドレでもなく、戦闘員でもなく、ただの穏やかな普通の女性だと思っていたサガラ。
彼女は科学者だったのか...。
サガラとキルドレの関係。
クサナギとサガラとの関係。
いろんなことが表面化してくる。
そんな気がしてきた。

スカイ・クロラでの話を思い出す。
クサナギとクリタの関係。
そこへ向かう伏線なのか?

フーコの役割はなんなんだろうね。
クリタに「人間」を理解させること?
「人間」の普通の感覚。「死を恐れる」とか「昔にかえってやり直したい」とか。
クリタには理解できないらしい。

クリタの運命はどうなっていくのだろう...。

episode 3: flat spin

クサナギとクリタ。
全く関係のないはずの二人を結びつけたのはサガラ。
いや...。クリタ自身なのか。
クリタには何か人に影響を与えるものを持っているのかもしれない。それはクリタがあまりにも無感情に見えるからなのかも。

しかし、クリタは変わった。
いや、違う。気づいたんだ。
今までは気づいていなかっただけ。
クリタだって「愛情」を捧げる対象がなかったわけではなかった。
でも恐らく、それに気づくのが遅すぎたような気がする。
残念だ。
まだ残念がるのは早い?

スカイ・クロラで語られたクリタとクサナギの関係。
あれはちょっとした行き違いなのか?

クサナギとクリタ。
最後はどうなる?
必ずこの次の章で最後がやってくる。
そんな気がして仕方がない。

しかし誰が思いついたのだろう。
キルドレ。
誰が作り上げたのだろう。
何故?
何故、必要だったのだろう。
必然性がよくわからない。
最後まで読めば、納得はできなくても理解はできるだろうか。

episode 4: roling circle & epilogue

前章の最後にクサナギの身代わりとなって負傷したクリタ。
戦線から離れ、療養所へと移る。
クリタは感情的にならないという私の見方は間違っていたらしい。一番人間的なのがクリタだった。
人間的な考えを持ちながら、キルドレとしての宿命も背負う。
自分の中で両方の気持ちを整理できずにもがいている。
飛べないことをなにより嫌うはずのキルドレの中で、クリタは地上にいる安心感を覚えてしまった。他のキルドレにはなかったタイプだ。

傷が癒えた頃、戦線へ復帰。
久々のフライト。久々の戦い。
キルドレ達は戦いを聖戦と思っている。
飛べないことをなによりも恐れる。
クリタもやはりキルドレだった。
飛んでみて改めて気づく。
空にいない自分は価値がない。
死んだも同然。

何故、戦うのか。
それが相手への敬愛の印だからだ。
戦わずして背を向けるのは相手に失礼だと思っている。
地上で命令するだけの大人達の飾り言葉なんていらない。そんなもので戦いを正当化するのは受け入れられない。

この戦いでも負傷したクリタ。
今度は前よりひどい傷を負ったようだ。
クリタが花束を持って会いに行こうと考える。
誰に? どこに?
それは、クリタにしかわからない。
いや、クリタにもわからない。

次巻に答えは出てくるのか...。

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2009/07/10

やったね♪オススメ書評に選ばれちゃった^^

オンライン書店ビーケーワンの今月の書評に、「よい獣医さんはどこにいる」が選ばれました~♪
3,000ポイントもゲットしちゃって、嬉しすぎたので、ブログでも自慢しちゃお♪と、書き込みです^^
これからも、みなさんに楽しんでいただけるレビューを書いていけるように、精進します!
とりあえずのご報告でした^^

ビーケーワン↓
http://www.bk1.jp/contents/shohyou/Index

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くる花、4本目の花

20090707kuruhana

ブログを書くことで育っていく「くる花」。
4本目の名前は、「五月雨」。
まだまだ元気ですが、しぼんでいく前にキレイな姿をどうぞご覧ください^^
次の花の名前はなんにしようかなぁと考案中です。
良い名前があれば、アドバイスくださ~い♪

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2009/07/09

ファウスト(まんがで読破)


ファウスト (まんがで読破)

Amazonで購入
書評/宗教・哲学

文庫版の「ファウスト」を読む前に、概略でも知っておこうと思って、まんがで読破シリーズの「ファウスト」を手にした。
なるほど、こんな物語だったのか...。
まんがになっているためだと思うが、それほど哲学的な部分というのは感じられない。逆に俗っぽい感じだ。ファウストが実に人間的だと感じた。

神と悪魔。
確かに人間が作り出したものである。
自分たちで作り上げたものが原因で争いを起こす。
人間とは、それほど愚かなもの。
現代の争いは、もっと醜い。
欲・利害が絡みあって、さらに愚かしい。

あらゆる学問を究めることなど、人間にできるものだろうか。
「学問」自体を作り上げているのが人間なのだから、どこかで限界を決めてしまえば可能なのだろう。自分は「○○学」を極めたと思う者は、自分でその限界を決めてしまっているのではないだろうか。
様々な学問は、本当に極めようとすればするほど、自分の無力さを感じる、あるいは自分はまだまだ極めきれないと感じるものなのではないか。無限の可能性が世界には溢れているのだろうと思う。

哲学・法学・神学・医学。これらを極めても、自分自身が満たされなければ、何もならない。
何も極めていなくても、自分自身が満たされていると感じているのであれば、それは素晴らしいことだと思う。

ファウストは、正しい道を選んだのだろうか...。

===============
私はこのまんがの原書を読んでいない。解説書等の類も読んでいない。私の本書に対する知識は、このまんがに描かれていることのみである。なので、全然筋違いな解釈をしている可能性もある。
もし、この作品についてよい解説等があるのならば読んでみたいとは思う。
また、原書を読んでいないため、漫画との比較ができず、★による評価はできないと判断した

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2009/07/08

幽霊屋敷の謎


幽霊屋敷の謎

Amazonで購入
書評/ミステリ・サスペンス

★★★☆☆

本が好き!」から献本いただきました。

読みながら、そして読み終わって思うのは、この本に小・中学生の頃に出逢いたかったということだった。その頃に出逢っていたら、ドキドキワクワクしながら読めたのに。
かといって、大人になった今、読んでも楽しめないわけではない。非常にスリリングな冒険ミステリだった。

友人の叔母の家で起こる様々な幽霊事件。そこへ父の誘拐事件が加わっていく。主人公ナンシーにとっては、落ち着く暇もないほどの出来事が次々と起こるのだ。
それなのに、ナンシーは見事に次から次へと難題を解決していく。その爽快なことといったらない。
序盤は少しスロースタートだったが、中盤からラストに向かうまで、息つく暇もなく事件が起こり、それが面白いように解決されていく。
正直、少し上手く行き過ぎかな?という点もなきにしもあらず。警察や弁護士、いろんな人々がみんなナンシーのお手伝いをしてくれる。その辺りも、少し違和感を覚えた。

表紙の絵をみて、ナンシーというのはティーンになったばかりの少女かと思っていたが、そうではないようだ。自分で車を運転したりしているところを見ると、二十歳前後かな?
読んでいても今ひとつ主人公の年齢設定が見えてこなくて、感情移入しづらく、そこが少し難点だった。

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2009/07/01

ダウン・ツ・ヘヴン


ダウン・ツ・ヘヴン (中公文庫)

Amazonで購入
書評/SF&ファンタジー

★★★★☆

prologue & episode 1:side slip

ここでも「僕」は「クサナギ」。
二機対五機の戦いで、不利かと思える戦いに、クサナギは交戦を選択。味方を一人失ったものの、相手の五機は全て墜とした。
しかし、最後に残った敵の一人はキルドレではなく大人のパイロットだったのだ。ここで、大人の執念を見せつけられた。自身も怪我を負う。

そこで、入院することになったクサナギ。
クサナギは入院は不要だと主張するも、これも「大人の事情」というヤツなのか、受け入れられなかった。

この病院でクサナギはカンナミと出逢う。
カンナミって、あのカンナミ?!
「スカイ・クロラ」で語り部となっていた「僕」=「カンナミ」。
これは意外。素直にそう受け取っていいのだろうか。

入院の原因となった戦いは、クサナギに対して大きなダメージを与えたようだ。身体的ダメージではなく、精神的ダメージ。
たばこを吸いながら思う。
けむりのように自由になれればいいな、と。
この世にとどまっていると、自由は得られない。
消えていくその瞬間に、ものは自由になる。

厭世的なクサナギの姿が見えるようだ。
小さなか細い身体で、大きなモノと戦わざるを得ないクサナギ。
結局は大人たちに何かを演じさせられてる訳で、それは操られていることと一緒。
それに満足できる?
クサナギも少しは大人になったのか?
いや、大人になったというより、面倒くさくなったのだろうな。反発することに。

episode 2:stall turn

クサナギが客寄せパンダになったように思えた。
記者会見でスポットライトを浴びせられ、いくつもの質問に応え、それに素直に従っていたクサナギ。
特に反発する気持ちも持っていないのだろう。だから厭世的だというのだ。

クサナギが以前失った仲間ヒガサワの弟が登場。これから何らかの関わりを持ってくるのかどうかは不明。ただ、ヒガサワの名を聞く度にクサナギの心が揺らぐのは仕方ないことだろう。過去の経緯を思えば。

そしてカンナミ。
パイロットたちの講習会にクサナギが講師として壇上に立つことになるのだが、その生徒の中にカンナミがいた。
やはりクサナギとカンナミ。ただの関係では終わりそうにない。

ちらりとだが、クサナギの幼少の頃のシーンが登場。
意外な母親のもとで育ったようだ。

普通の女の子として生きていけたら、クサナギはどんな少女になったんだろう。やはり、クラスの中で一人浮いている雰囲気を持った少女だっただろうか。優秀なくせに誰とも勝負をしようとしない。ただ、自分だけがいる世界に閉じこもっている。そんな少女になっただろうか。
そんな少女は、大人になったらどうなっていくのだろう。
それとも、やはりキルドレであるという宿命が彼女をそういう性格に育て上げたんだろうか。
クサナギの上司、大人の女性であるカイは、普通の大人だ。競争心も持っているし、悔しさも知っている。

それにしても、文章をもってして空間を生み出す著者の力はすごい。その空間の持つ雰囲気、スピード感を思う存分楽しめる。読んでいて映像が浮かんでくるのだ。具体的にではないけれど、何となく。

episode 3:snap roll

久々にかつての上司「ティーチャ」に出逢ったクサナギ。
周りから見て、それとわかるほど舞い上がっている彼女。
珍しいことではある。
しかも、一緒に空を飛べるというのだ。
これ以上に嬉しいことがあろうか。

しかしこの戦いは、政治的策略、あるいは企業の広報に利用するためのものだった。市街地の空の上で、腕の立つパイロットが乗った2機が戦う。驚くような話ではない。今までの戦いだってそうだったのだ。戦争のための戦争。
パイロットがキルドレだから、民間人は騒がないだけ。血を流すのは自分たちではないから。
戦いは退屈を紛らわすショーなのだ。

そうであってもクサナギは嬉しかった。
もう一度ティーチャと空で踊れる。
恐らくどちらかが倒れるまで踊り続けるのであろう。

しかし...。
クサナギたちが戦っている理由がそんなモノだったとは。
クサナギと話したジャーナリストの言葉を借りれば、
「一部の特別な人間だけに戦わせて、それによって民衆の捌け口を用意する。そうしたうえで、今の平和が築かれている。
戦うことに反発するエネルギィを、その一カ所に集める。しかも、それは政治の枠組みの外にある。
また、戦う者に感情移入させることで、反社会的な破壊行為への動機を抑制できる。」

そのために利用されているのがキルドレだ。
同じ人間だったら、民衆が黙っていないだろう。
キルドレならば、歳をとらない。老化しない。
平和に過ごせば、いつまでも死なないで居られる。

だからなんなんだ。だから殺し合いをさせてもいいのか?
政治に利用されたり、企業に利用されたりして殺されていいものか?
そんなことはないだろう。

仕組まれた戦いの中でクサナギたちは生きている。
そして、彼らは空を飛ぶことを止められないのだ。止めるくらいなら死んでしまいたいというだろう。空を飛んでいるときだけ、自分自身でいられる。そういう風に作り上げられたのだ。

それはそうと、ティーチャとの戦いでも、クサナギは冷静でいられるだろうか。この戦いはいつもの高い空の空中戦とは異なる低空飛行で行われる戦いだ。民衆が見物しやすいように。より楽しませるために...。
やはり、納得いかない世界だ 。

episode 4: low pass & epilogue

いったい何だったんだ。
命を落としても構わないほどの覚悟をもって望んだティーチャとの戦い。クサナギの覚悟が裏切られた。
このとき、クサナギは初めてはっきりと、大人たちの、そして人間の醜さ、狡さを感じただろう。
どこにぶつけて良いのかわからないほどの怒り。
ほおっておいたら自爆しそうなほどの怒り。
そして、それを静められたのは、ティーチャしかいなかった。

空中戦の緊張感は、さすが。
専門用語はわからないが、すごい技術戦であることが行間から読み取れる。著者の力のすごさだ。

クサナギとティーチャとの戦い。
永遠に続くのか。

本書の半分近くのページを占める章であったが、あっという間に読み終えた。クサナギとティーチャの戦いの展開が早すぎて、読み手であるこちらがページをめくる手もつられて早くなってしまうのだ。
今までで一番緊張感を感じた章であった。

次作へと引き継がれた物語。
展開が楽しみだ。

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