変身 (まんがで読破)
著者:カフカ
漫画:バラエティ・アートワークス
「ある朝、グレーゴル・ザムザが奇妙な悪夢から目を覚ますと、大きな虫に変身していることに気がついた」
この書き出しで始まるカフカの「変身」。
知ってはいても、読んだことはなかった。
いわゆる名作と呼ばれる小説が漫画としてシリーズで発刊されることを知って、これを機にあらすじだけでも読んでおこうと何冊か買った。
「変身」はその中の1冊である。
簡単なあらすじを、本書裏表紙から引用したいと思う。
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ある朝、布地屋のセールスマン・グレーゴルが奇妙な悪夢から目を覚ますと、自分が大きな虫に変身していることに気づく。突如の異変に家族は困惑するが、グレーゴルが変身した謎を明かそうとする者は存在せず、奇妙な日常がただひたすら続いていく。
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商売で失敗した父、優しい母、そして妹。この家族を養うために、セールスマンとして働くグレーゴル。最初はむいてないかのように思われたが、ある日、よい買い手を見つけ、トップ・セールスマンとして大きく稼ぎ始める。母と妹は喜んでくれるが、父だけは威厳を保つためかプライドが傷つけられたのか、グレーゴルの才能を認めようとせず、空威張りするだけ。
しかし、あるとき突然、今までの顧客が別の会社から布地を買い始める。グレーゴルより安く売っているのだ。
その顧客を取り戻すため、グレーゴルも値を下げて売り始めるが、どんどん営業成績が落ち始め、家に入れるお金も少なくなっていく。
母や妹は、それでも慰めてくれるが、父は「それ見たことか」といった態度である。
別の仕事を探したりもするが上手くいかず、家族のために自分の幸せを犠牲にし、追い詰められていくグレーゴルは、冒頭の文章の通り、ある朝、目が覚めると虫に変身していたのだ。
虫に変身した後、家族の態度は豹変し、あれほど家計を助けてきた兄を、足蹴にする。それどころか、うっかり母の前に出てしまったグレーゴルに深い傷を負わせてしまう。その後、家族たちは宿屋を経営し、客を招き入れたが、そこへも姿を見せてしまい、客を怒らせてしまう。
その夜、妹が「兄と縁を切ろう」と言い出した。それがお互いの幸せのためだと。あれはもはや「兄」ではないのだという。
グレーゴルは、それを聞いた夜、1人、息を引き取った。
さて、ここでぶつかった問題は、「虫に変身していた」ということが何を意味するんだろうということだ。
人間は普通、虫には変身しない。
だからといって、特に他の別なものに変身するわけではないけれど。
この文章に、何らかの意味づけをしたくなるのは、私だけではないだろう。自分の理解の範疇を超えたものに遭遇したとき、自分の持つ知識の中で納得のいく答えを見つけたくなる。
精神的に病んだことを意味するのか?
外に出せないほどに病んでしまったことを。
おそらくいろんな解釈がなされてきたんだろうなと思う。私はただこのまんがに描かれている情報しか持たないが、作者の境遇、作品が生まれた背景なんか知るとまた、違った解釈もできるのだろう。
多くの人間がいれば、少し周りと違う人間も出てくるだろうし、そうなれば自然と「差別(区別ではなく)」が生まれる。憐れむ人もいれば、蔑むひともいるだろう。その人の気持ちを理解しようと努力してくる人も出てくるかもしれない。しかし、その人の気持ちはその人にしかわからないものである。
人はみんな違う。みんながオンリーワンだという唄が流行ったが、本当にそれを理解している人は、どれだけいるのだろう。自分はオンリーワンだといいながら、みんな周りの人間と異なることをどこかで恐れているのではないか。そんなことも考えてしまった。
もしかしたら、この作品は、ただ「ある日、男が虫に変身したらどうなるだろう」。それだけの理由で書かれたのかもしれない。それなら作者の勝ちだ。人々を悩ませるだけ悩ませといて、なんだよ、それっていうオチ。
短い物語だから、サラッと読み流してしまうこともできるし、そこからいろんな想像をふくらませることもできる。それが長く読み伝えられた理由だろうか。
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私はこのまんがの原書を読んでいない。解説書等の類も読んでいない。私の本書に対する知識は、このまんがに描かれていることのみである。なので、全然筋違いな解釈をしている可能性もある。
もし、この作品についてよい解説等があるのならば読んでみたいとは思うが、今の私には新聞の記事すらまともに読めない状態なので、難しい長文は読みこなせられないだろう。
いつかまた、機会があれば調べてみよう。
そのときまで、この作品に興味を持っていれば、であるが。
また、原書を読んでいないため、漫画との比較ができず、★による評価はできないと判断した。
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