おいしいハンバーガーのこわい話
おいしいハンバーガーのこわい話
著者:エリック・シュローサー、チャールズ・ウィルソン
訳者:宇丹貴代実
★★★★☆
ホントに怖い話だった...。
ファストフードの危険性について、子供向けに書かれたという本書。がしかし、大人が読んでも読み応えのある本である。
ただ単に、ファストフード業界を攻撃するわけではなく、ファストフードが誕生した背景、そこから巨大な産業に育っていった過程、そして今、その業界が与える様々な影響について、筋道たててきちんと説明してくれている。
第1章 ハンバーガーはこうして生まれた
第2章 子どもは大事なお客さま
第3章 マックジョブってなんのこと?
第4章 フライドポテトの秘密
第5章 スカッとしない清涼飲料の話
第6章 牛や鶏はどんな目にあってる?
第7章 ファストフード中毒
第8章 きみたちにできること
主にマクドナルドについて述べられている部分が多いのだが、食べる側だけでなく、店舗で働く従業員、工場で働く人々、肉や野菜を育てる農家に与える影響も大きいのだと気づかされた。
ヨーロッパでは、失神させる薬を与えて、苦痛を感じることなく殺される動物たちが、アメリカではスピード重視、低コスト重視のため、原始的なやり方で殺されている。中にはまだ意識が残っている状態で釜ゆでにされる鶏もいるのだとか...。
また、農家の生産形態も変化している。短期間かつ低コストで育てることを目標にしなければならなくなったからだ。そして、その育て方も農家が考えるまでもなく、企業からの指示に従うだけ。すでに鶏も牛も「動物」ではなく「モノ」になっている。利益を上げるためには、その「モノ」の感情など考える必要も無いことなのだ。
だが、これを読んで、「もう二度とファストフードは食べません」と言い切れるだろうか...。私たちの食生活の中にファストフードはすでに組み込まれてしまっているような気がする。子どもの頃から、美味しそうに食べるCMを観ては、新商品が出るたびに楽しみに店に通ってきたりしてきた。
ファストフード業界も、かつてほどやりたい放題というわけにはいかなくなってきているようだ。
情報は、その内容がひどいものであればあるほど、早く知れ渡る。カウンターの外からは見えない世界についての情報も、こうやって書籍にされたり、ネット上で取り上げられたりするわけだ。
現代の先進国では、ほとんどの消費者が情報を利用して、自分たちの口にするモノを選んでいける時代。本書のような情報に耳をふさいで、ファストフードを食べ続けるのも一つの選択ではある。
ただ、口にする前に「これはどこからどうやって私の手の中にあるのだろう」と、考えることは大切だと思う。
考えた上で、口にするもしないも、それは選択の自由。
私は今後、ファストフードを利用する機会が減るだろうか...。考えてみたい。
関係ないかもしれないけど、私はフォアグラを食べる人たちの気が知れない。あれもひどい育て方をされているんだよねぇ...。どうしても食べなきゃいけないモノでもあるまいしなぁ...。
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