ペット

2009/06/14

ペットの命を守る


ペットの命を守る―いまからでも遅くない病魔からこう救え!

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書評/ルポルタージュ

著者:坂本徹也
★★★★★

本書の「はじめに」から引用したいと思う。

****引用開始*****

この本は、解説書でもハウツウ本でもなく、ルポタージュです。

*************

著者がいろんな分野のプロと呼ばれる方々にインタビューしてまとめてはいるけれど、こうしなさいという文はひとつもない。いろんな意見を聞いて、自分の家族である犬・猫に対してどうしてやるのかを決めるのは一緒に暮らしている飼い主自身なのだ。

本書は4つの章からなる。

第1章 あなたのペットは病んでいる?
ペットは人間と言葉を交わせるわけではない。彼らが何らかの身体の異常を感じたとき、必ず飼い主に対してメッセージを送っているはずである。毎日、共に暮らし、身体を撫でるなどコミュニケーションを取っていれば気づく。
観察力が大事。ただ何となく毎日を暮らすわけではなく、今日はどこか痛めていないだろうか、食欲はあるだろうか、そんなことを考えながら接していくことが大切だと、私は思った。
動物病院に連れて行ったときに、適切に症状を医者に伝えることができるだろうか。これは大切なことである。
どんな病気も早期に発見し、適切に対処すれば、障害は最小限に抑えることができるだろう。
ペットの健康に責任を持つ。ペットを家に迎えようとする人は、是非覚えておいていただきたい。

第2章 一体何を食べさせればいいの?
この章は一番、不安を感じながら読み進めた。ドッグフードの質の悪さ。それは散々言われてきたことである。開封して数ヶ月経っても腐敗することのないドライフード。どれだけの人工保存料が入っているのだろう。
手作りの食事を、といっても、そこまで手をかけられないのが現実だ。今は手作りの食事を通信販売している店もある。しかし、費用がかかる。自分の楽しみを削ってそれをまかなえるのであれば、そうする。しかし、生活までも圧迫させるほどの費用はかけられない。多くの飼い主の方が悩んでいるところであろうと思う。
これから先、ペットフードの安全基準が守られるような体制が整うことを祈るのみである。

第3章 ブリーディングが病気をつくる。
私はペットショップ反対派である。犬や猫に値段をつけることには反対だ。ただそれは、金儲け目当ての悪質なブリーダーがいるからという理由からである。
本書を読んで、ブリーディングがいかに難しいことか、沢山の知識が必要なことか、よくわかった。なのに、ただ金儲けのためだけに、なんの知識も無いくせにブリーディングする人間もいる。それが許せないのだ。
ペットショップの小さな部屋に閉じこめられている犬たちを見ると、切なくなる。人の目にさらされるのもかなりのプレッシャーだ。それに生まれてから3ヶ月くらいまでは母犬や兄弟と一緒にいて、今後生きていくために必要な知識を学ぶ時期なのだ。それなのに、2ヶ月足らずの子犬を販売したりしている。この子たちは上手く犬として生きていけるのだろうか...。
欧米ではペットショップで犬や猫を買うことはできないそうである。ブリーダーから飼い主として認められて初めて家族を迎えることができるのだ。日本は愛玩動物に対する接し方については、かなりの後進国だ。

第4章 問題行動はペットのSOS
ムダ吠え、咬みつく、トイレを覚えない、そんな問題行動。ただ躾ができていないだけではない場合があると言うことを初めて知った。
犬もうつ病になることがあるらしい。本来ならば母犬や兄弟と一緒にいるべきだった時期に無理矢理引き離された犬。そして、ただ小さな箱の中で人目にさらされた日々を送った犬。心に病を持っても不思議ではないと思う。
正しく犬を観察し、必要ならば獣医師やカウンセラー等に相談すること。誤った認識で悪癖を治そうとすると、さらにひどい結果になることもあるらしいので、注意が必要だ。

今、私は1匹の犬と一緒に暮らしている。この子は老犬で、あと数年を待たずして逝ってしまうだろう。
その後、また動物を迎えることは恐らくないと思う。一緒に暮らして、その子を100%幸せにしてあげる自信がないのだ。これまで天国に見送った犬たちも、本当に私のところにきて幸せだったのだろうかと、今でも気になる。
今から動物を迎えようとしている方々には、いろいろと勉強した上で迎えて欲しいと思う。
この本はそのヒントをたくさん与えてくれるだろう。

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2009/05/02

となりの「愛犬バカ」

となりの「愛犬バカ」
著者:勝俣和悦
★★★★☆

今日、ペットショップに行ったとき、レジのそばに本書が積まれていたので、またつい「タイトル買い」をしてしまった。
しかし、この本は有用であったと思う。
著者は若い頃から動物に関わる仕事に就かれていた方である。その中で、様々な犬を見てこられただろうし、様々な飼い主を見てこられただろう。
よくあるイヌの飼い方の本に書かれているような初心者へのアドバイスも、もちろん載っているが、「私はちゃんとした飼い主です。私の可愛い子を不幸になんてしてないわ」とおっしゃる「愛犬バカ」(私はどちらかというと「飼い主バカ」じゃないかと思うのだけれど...。)についても触れられている。

ペットショップで一目惚れして犬を買い(「飼い」ではない)、なんの躾もしないで、手もつけられない暴れん坊になったから、もういりません、という人間も少なくないのではないか。なんて身勝手なんだろう。

逆に、人に愛情を向けられず、犬にばかり目を向けてしまう人が増えているともいう。
ちょっと私にとっては耳が痛い話だが、犬を溺愛してしまうケースだ。
私もダンナには申し訳ないと思っているが、若干、犬中心の生活になってしまっていることは自覚している。
今、私の家族となっている犬が天国へ召されたとき、ペットロス症候群になるであろうことも、容易に想像できる。
しかし、著者には申し訳ないが、私は直せない。
犬がまだ若ければ、躾のし直しや、犬との距離の取り方など、考え直すこともできるだろうが、ウチにいる犬はもう老犬である。15歳くらいだろうか。心臓も悪く、発作を起こせば、いつ死んでしまうかもわからない(こんなことを書くのさえ嫌なのだが...)。今更、辛い思いをさせて、躾しなおすより、今まで通りの対応で、安らかに眠ってくれるまで見送ろうと思っている。

そして、初めて「捨て犬の十戒」というものを知った。
「犬の十戒」は何年も前から知っており、自分のサイトにも拙い訳ではあるが載せている。
「捨て犬の十戒」は、「犬の十戒」よりも、切ない。
いろんなサイトで掲載されているが、こちらにも引用させていただきたい。

***捨て犬の十戒****
1.ボクを迎えてくれたときの事は決して忘れません。
暖かい家族の中で幸せでした。ご主人様との楽しい思い出は決して忘れません。

2.ご主人様が望んでいるようには振る舞えなかったかも知れません。
僕はあまり可愛らしくなかったかも知れません。
でも、ご主人様に喜んでもらいたくて、精一杯頑張ったことだけは本当です。

3.ご主人様がいなくなっても、きっと迎えに来てくれると思って待っています。
側にいられなくなった訳は良くわからないけど...、
僕を嫌いになったからじゃないと自分に言い聞かせています。

4.僕を産んでくれたお母さん、お父さんに、ありがとうって言いたい。
こうして楽しい思い出を宝物にできたのも、命を与えてくれたからです。
生きているから味わえたのです。ありがとう。

5.今は、たくさんの仲間たちと一緒に暮らしています。でもみんな悲しそうです。
僕もなぜか寂しい、物足りない気持ちでいっぱいです。

6.多くの仲間達は、連れて行かれ二度と顔を見ることもない毎日です。
そのときの悲しそうな目を見たことがありますか。

7.一部の仲間達は、たまに新しいご主人様が連れて帰ります。
ご主人様が迎えに来てくれないなら、僕も新しいご主人様に連れて行かれるかもしれない。優しいご主人様だったら嬉しいけど...。

8.僕にはご主人様を選ぶことはできません。
でも僕を迎えてくれるご主人様が、どこかにいるかもしれない。
もしそうなったら、今度はもっともっと気に入られるように頑張ります。

9.ご主人様、早く僕を迎えに来てください。
そして今度こそずっと側に置いてください。それだけが僕の願いです。

10.ご主人様、これだけは覚えておいてください。
僕だって生きているということを。
心だってちゃんとあるということを。
天に召される最後の時まで、ご主人様に尽くしたいと思っていることを。

*************

書いていて、胸が痛む。
動物を擬人化するのも度が過ぎてはいけないが、この十戒に近い感情を犬たちは持っていると思う。

今から犬を、または猫を家族に迎えたいと思われている方、一度、読んでいただきたい本である。反面教師となる飼い主が多く載っている。

愛玩動物と一緒に暮らすということは、その命が尽きるまで責任を負わなければいけない。そのためには自分の時間を削らなければならないこともあるだろう。自分の遊ぶためのお金を削らなければならないこともあるだろう。それを厭うならば、動物と一緒に暮らしてはいけない。その資格がない。

中には、自分を振り返って反省する部分もあったが、大いに勉強になった一冊であった。「捨て犬の十戒」を知っただけでも約800円以上の価値はある。

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2008/12/27

家族なのに

家族なのに
著者:なまこ
★★★★★

さきほど、あるブログで知ったお話です。とてもとても哀しいお話で、今日は眠れなくなるかもしれません...。
ウチの子たちには、絶対こんな目に遭わさないのに...。
こんな気持ちを味わう子たちが少しでも減っていきますように...。
本も販売されているのですが、ネット上でも読むことができます。

家族なのに

パパとママと一緒に楽しく暮らしていたワンコが、いつの間にか見放され、ひとりぼっちになって、天国に逝ってしまうお話です。
哀しいと寂しいと泣いて、なぜ自分がひとりぼっちなのか理解できないまま天国に逝ってしまう子たちの気持ちを考えると、やり切れなくなります。
お願いします。自分の家族として迎えた子たちは、最後まで家族でいてあげてください。
お願いします。ホントにホントに、お願いします。
イヌもネコも、自分の家族が大好きなんです。それは見捨てられた後も変わらないんです。自分がおいていかれたのは、何か悪いことをしたせいなんだろうかと考えながら死を迎えるんです。最期の最期まで、自分と家族との楽しかった日々を忘れないんです。いつ迎えに来てくれるんだろうかと、ずっと待っています。
これは人間からみた感傷にすぎなのかもしれないけれど、保健所にいる動物たちはみんな「哀しい眼」をしています。決して「怒っている眼」ではないのです。
「哀しい眼」をした子を増やさないでください。本当に心から、心から、お願いします。

基本的に、こういうお話は避けてしまいます。知ってしまうと、何もできない自分が悔しくて、どうしようもなく落ち込むから。
ドキュメンタリーやドラマや映画で、動物を主人公にしたものも、基本的に観ません。健気な(人間が勝手にそう見ているだけなのかもしれないけれど)動物たちの気持ちに、人間が100%応えきれているのかなと、疑問を消化できなくなるので。
でも、現実は現実として、そこにあるわけで、無視したところで無くなるものでもないんですよね。だけど、受け入れたくない自分もいて、どうしたらいいのかわからなくなる。

とにかく、自分が家族として迎えた命は、最期まで痛い思いも怖い思いもさせずに全うさせたい。今の私ができることは、それくらいしかない。あとは、こういう場所で呼びかけていくくらいかな。
なんて、無力なんだろう...。

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2008/09/13

よい獣医さんはどこにいる

よい獣医さんはどこにいる
著者:坂本徹也
★★★★★

よい獣医さんを選ぶには、どうしたらいいか。
動物と一緒に暮らしてる人間にとっては、とても大きな問題。
大事な家族の命を預けることになるかもしれないわけだから、慎重に選ばなければならない。
だけど、どうやって選択すればいいのか、何を基準に「良い、悪い」を判断すればいいのか、わかりにくいと思わないだろうか。
そう思っていたときに、この本に出逢った。

獣医療の現場では、様々な問題が発生しているようだ。
本当に動物を愛し懸命に努力を重ねていらっしゃる獣医さんがいる一方で、モラルの低下した、いわゆる『儲け主義』に走る獣医も少なくはない。
どうして、このような獣医が存在しうるのだろうか。

犬や猫などの小動物を診る獣医さんの歴史というのは、まだ浅いものだそう。
40年前には、ペットの獣医さんは存在しなかった。
主に公衆衛生、牛肉や卵などの衛生管理などが獣医さんの使命だったのだ。
大学におけるカリキュラムも、いまだにこちらが中心であり、小動物の臨床について、あまり学ぶことができないまま、「獣医」として世に送り出されている。
それでも、卒業してすぐに、どこかの動物病院の助手として勉強することのできる若い獣医さんは、まだいいほうだろう。
問題なのは、長い間、畜産関係の仕事に就いていて、定年になったから動物病院でもやるか、という軽い気持ちで開業する獣医がいるということ。
小動物についての経験も知識も少ないはずなのに、免許さえ持っていれば「獣医」として開業することができる。
そして、何か問題を起こしたからといって、獣医師免許が取り消されることもない。
法律上、ペットは「モノ」なのだから、医療ミスで殺してしまっても器物損壊の罪にしか問われない。
恐ろしいことだ。

獣医には、いろんな人がいる。
儲けは度外視して、動物と飼い主が幸せに暮らせるためにと一生懸命に頑張っていらっしゃる獣医さんもいる。
危険だけど安い薬を使い、道具も使い回して、原価を下げ、「うちは治療費が安いですよ」という獣医もいる。
安全な薬を使い、1匹1匹に対して充分に誠意を持って治療にあたった結果、他より治療費が高くなってしまう獣医さんもいるだろう。
日々進歩していく医療技術について何の勉強もせず、ただ思いつきで診療し、ミスをミスと認めず威張り散らすだけの獣医もいるようだ。

よい獣医さんはどこにいるのか。
それを見つけるには、飼い主がもっと賢くなることが必要なのだろう。
医者にまかせっきりにするのではなく、自分でも勉強することが必要なのだと思う。
獣医さんに積極的に質問をし、情報を得ることができるだけの知識を身につけること。
そして、病気になって慌てて病院を探すのではなく、健康なうちから情報を集めることも大切なこと。

大切な家族の命を守るのは、獣医ではない。
いつもそばにいてあげられる飼い主自身なのだ。
私も3匹の犬を寿命ではなく病気で亡くした。
私自身が賢い飼い主であったならば、今も元気に楽しく暮らせていただろう。
本当に悔しくて、申し訳なくて、無念でならない。
この3匹の死を無駄にしないためにも、賢い飼い主にならなければいけない。
よい飼い主になるために、この本はとても役に立つ。
今の獣医療の問題点について、少しでも知っておくことは、絶対に無駄にはならないはず。
獣医の現場はどんな方向へ向かっているのか、どういうふうに獣医さんと接すればよいのか、そのヒントが得られる1冊だ。

ひとつ、どうしても気になるのは、獣医を育てる現場で、実習の名のもとに故意に傷つけられ、命を落としている動物がいるということ。
骨折の実習のために、健康な犬の足をわざと折ってしまう、そんなことが本当に行われているのだろうか。
そんなことをしなければ、学べないものなのか。
病院へ行けば、実際の治療の現場も見学することができるだろう。
欧米では、イミテーションやコンピュータを用いた実習が行われているそうだ。
それじゃ駄目なのか。
医学の進歩のためには、動物の命を犠牲にすることも必要な時もあるだろう。
ただ、この実習については、無益ではないかと思えて仕方がなかった。
これは、ただの感傷にしか過ぎないのだろうか...。

最後に、本書の冒頭部分に書かれていた言葉を紹介したい。

 選択を誤らなければ、あと数ヶ月あるいは数年、
 飼い主との幸せな日々を過ごせたはずのペットたちの魂に捧ぐ。
 誤った選択のために、不幸な死を迎える動物たちが減りますように...。

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