音楽

2008/12/18

童謡の謎

童謡の謎―案外、知らずに歌ってた
著者:合田道人
★★★★☆

童謡や昔話というのは、うろ覚えだったりすることが多い。小さい頃から何気なく耳にしているので、音で覚えており、歌詞の意味を考えるというのは、ある程度大人になってからではないだろうか。
歌詞の意味を知ろうとして初めて、何十年も間違った歌詞で唄っていたことに気づいたりする。

西洋のミステリの中では、マザーグースをテーマとして書かれたものも少なくない。日本でも、金田一耕助シリーズなどは、その土地の数え歌などをテーマにしているものがある。
子供が唄う無邪気な声と、残忍な殺人事件を結びつけることによって、その怖さを倍増させているような気がする。

ミステリが好きな私は、そんなこともあってマザーグースや童謡に興味を持つようになった。そこで手にしたのが本書である。
第一章 こんなに悲しい童謡たち
第二章 こんなに怖い童謡たち
第三章 こんなに奇妙な童謡たち
第四章 こんなに艶っぽい童謡たち
上記の4章にわけて、18曲の童謡が紹介されている。
第一章では「しゃぼん玉」「花いちもんめ」など、第二章では「しかられて」「てるてる坊主」、第三章で「かごめかごめ」「七つの子」、第五章で「ずいずいずっころばし」「浦島太郎」などである。

それぞれの唄の発祥地や作者の人生の背景などから入っていき、著者の推測を加えながら、こういう意味ではないか、と締めくくっている。ほとんどが著者の推測ではないかなと思われる部分が少なくないので、この本に書かれていることが必ずしも正しいとは言えないかもしれない。

しかし、特に意味も考えず、耳で聞いたままを口ずさんでいた唄の意味が、こんなに悲しい、またはこんなに不思議な歌詞だったのかと驚くばかりだ。
「花いちもんめ」の「かって嬉しい花いちもんめ」が、実は「買って嬉しい花いちもんめ」であり、人買いに買われていく女の子たちの唄なのだという解釈には、やり切れない悲しみを感じた。
また、「赤い靴」に出てくる「あの子」は、外国に連れて行かれたのだとばかり思っていたが、実際は異なるようで、あまり恵まれた境遇ではなかったらしい。
力のない子供たちは大人の都合で流されるままになるしかないのだろうか。

童謡しかり、昔話しかり、長い時を乗り越えて伝えられるものには、やはりなにかしら人を惹きつけるものを持っているのだろうと、改めて感じた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)