122)金融・経済・税金

2009/05/25

サラ金会社の夜はふけない

サラ金会社の夜はふけない
著者:ほのぼの湖太郎
★★★☆☆

サラ金会社の社員が体験したエピソードを紹介している本書。著者が勤めている会社は「ほのぼのレ○ク」だと思われる。
しかし、本書は2003年に書かれたものなので、現在とはほとんど内情は変わっているんじゃないかなぁ。

いやいやいや、いろんなお客様がいらっしゃるものですよ。
私も債務取り立ての業務経験はありますが、それをも上回る立ち回り。地方公共団体が税金を取りっぱぐれるのもわかる気がする。
エピソードは満載。ほんとに、借りる人たち、それを受け付けるお嬢様たち、返済が滞っている方を追い詰める人たち、最後はヤクザとのからみなど、てんこ盛り。それも、口語体で書かれているので、読みやすい。スラスラッと頭に入ってくる。
けれどね、いくら面白いお話でも似たようなお話を3個も4個も聞かされちゃ、飽きるでしょ。それと同じで、途中で読むのが面倒くさくなっちゃった。1つの話自体は面白いんだけど、似たようなことがたっくさん書いてある。
これはまとめて、一番インパクトのあるヤツで勝負した方がいいんじゃないの?と言う感じだ。

265ページ。作者は相当力を入れて書いたんだろうな。
でも、これで1,200円+税金は高い。
いくつかの秀逸なエピソードだけを集めて、文庫本にした方がいいんじゃないかなぁと思う。
っていっても、今の時代の話じゃないから、もう遅いか(苦笑)。

とにかく、読んで損したとは思わないけれど、冗長すぎるなぁといったところである。

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2008/11/29

税金を払う人使う人

税金を払う人使う人―加藤寛・中村うさぎの激辛問答
著者:加藤寛、中村うさぎ
★★★★★

税務に携わる仕事に就いて、十数年が経つ。それだけに、「税」とつくものには多少は他の人よりも興味を持っていると思う(もともと経済音痴ではあるが...)。

税金というと、みな「盗られる」という。それを私は「納める」のですよと言ってきた。
「盗られる」も「納める」も、その金額に見合った何かを求めていない言葉だ。
税金というのは、行政サービスを国民に提供するために集めているお金である。よって、その額に見合った対価を納税者は求めるべきなのだと、本書を読んでそう思った。
自分が支払った税金が、どのように運用され、活用されているのか、それに対しての国民の意識が、以前よりは高まってきた昨今。「税金」とは本来なんなのか、どのように集められ、使われるべきなのか、基礎の部分をとてもわかりやすく説明してくれる本である。

税金の素人の代表である「中村うさぎ」氏に、税金の玄人「加藤寛(元政府税調会長)」氏が、優しく丁寧に「税金」について解説している本書。
私も税金については半分素人、半分玄人である(半分以上「素人」かもしれないが(汗))。それでも、新しい見方を教わった気分である。
「税金」の基礎知識のほかに、現在の日本財政の危機的状況、それをどのように立て直していくべきなのかというところまで、本当に易しい言葉で説明されている。

「税法」というのは、非常にわかりにくい条文ばかりである。長ったらしい条文の中にカッコがあり、その中にまたカッコがあり、その中にまた...というのが続いて、最後に述語にたどり着く。述語にたどり着いた頃には、主語は何だったんだっけ?と、もう一回最初っから読み直さなければならない。
また、本法で決められたことが、附則では全く違ったことになっていたり、規則ではまたおかしなことをいっていたり、本当に難解。
国民にカラクリをばらしたくないために、わざと難しくしているのではないかと思うくらいだ。
難しいことを難しく説明するのは、簡単なこと。誰にでもできる。
難しいことを易しく説明することが大切なのである。
法律を作るのは結構だが、その内容を国民に易しく伝えてほしいと思う。

税金の無駄遣いがマスコミで報道されるたびに、国民のみなさんから強い風当たりを受けるのは、現場で働く税務職員なのである。悪いことをしたり、無駄遣いをしたりしている人たちではない。
税務職員も納税者の一人。納める苦労、徴収する苦労を知っているだけに、ムダに税金が使われるのを見ているのは、本当に腹が立つ。

しかし、官僚はともかく、法律を作る機関である立法府の議員たちを選出しているのは、主権を持っている「国民」なのだ。税金の集め方、使い方について、意見を反映させることのできる行為が「選挙」なのである。
国会議員だけではなく、地方自治体の議員についても同じことが言える。
一般の公務員は、立法府で作成された法律等に従って、業務を行っていく。
税金の徴収に訪れた職員に意見(文句?)を言う前に考えて欲しい。法律を作ったのは、皆さんが選んだ議員で構成される議会なのだということを。「選挙(参政権)」という貴重な権利をムダにしないで欲しい。
自分たちの貴重な「税金」を安心して任せられる人を、選ぶ目を持たなければならない。

この本は2001年に発行されたものであるので、多少現状とは違う部分があるが、それでも基礎を学ぶのに不足のない本である。

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2008/09/10

サラ金道 金の借り方返し方裏の道

サラ金道―金の借り方返し方裏の道
著者:大久保権八
★★★★☆

TVでは趣向を凝らしたCMを始終流し、街中には派手な看板が花盛り。
「サラ金(消費者金融)」にも、いろんな会社がある。
会社ごとに結構特徴があるものなんだな。
それぞれに「貸し金」道みたいなものがあるのか?

サラ金生活約20年、一度も遅延することなく返し続けては借り続けていた著者が、とうとう「ブラックの人」になってしまい、訪れたのは簡易裁判所。
「特定調停」の手続き上で起こった調停員との一悶着から本書は始まる。
調停員って、公務員や民間の会社を退職された人が、ボランティアみたいな感じ(実際は非常勤勤務で、少しながら報酬はある)で勤めてるらしい。
要するに、ほとんどが「サラ金」と縁もゆかりもない方々。
そんな人間が「サラ金会社」と「債務者」との間に立って、調停を行うというのはちょっと無理があるのでは?
「サラ金会社」側がちょっと知恵を働かせば、自分たち有利に事を運べる。
調停員はそれを見破ることができない。
債務者は「変だな」と思ったところで、何も言い出せない...なんてことになりそうだ。
実際にそういうことがあって、その経緯が書かれている。
これから「特定調停」を、と思っている方、是非読んでいただきたい。
対応の心構えが変わってくるだろう。

この本で一番認識が変わったこと。
「金利が安けりゃ、良いってもんじゃない」
実際の利用者からすれば、そう言うもんじゃないらしい。
しかしこれは、この著者だけの受け止め方かもしれない。
ほかの利用者の意見も聞いてみたいと思う。
私はこの方の意見に納得したが。

つまり、金利が安いということは、貸し手がそれだけのリスクしか負わないってことなのだ。
2000年06月に、実質年利の上限が、それまでの約40%から、29.2%に下げられた。
サラ金会社は利益をこの利息から得ているわけだから、体力のある大手はともかく中堅の会社は、かなりダメージを受けたよう。
それまでは30%後半の利息で営業していた中堅の会社は、他社の借入が多い債務者でも受け入れることができたのだ。
それだけの許容量があったものが、上限年利が10%近くも落ちたものだからリスクの大きな債務者を受け入れることができなくなってしまった。
そうなると、借入額の多い債務者はどうなるか?
それまで受け入れてくれたサラ金会社から蹴られて借金のやりくりができなくなり、にっちもさっちもいかなくなるという訳。
自己破産せずに全ての借金を返済しようとしている著者のような人からすると、この出資法の改正は「改悪」になるのだ。
実質年利の引き下げは、決して喜ばしいものではなく、逆に迷惑この上ないものだったのである。
なるほど、こういうとらえ方もあるのか、と思わないだろうか?
ま、そもそも借金するなよというツッコミは、おいといて。

その後もまた出資法と利息制限法との間のグレーゾーン撤廃が決まった。
さらに金融会社は客を選ぶようになり、闇金と呼ばれる商売が根を伸ばす可能性もあるだろう。

これから先、何があるかわからない。
もしかしたら、お世話になるかもしれない「サラ金」。
一度、予習しておいてもいいと思う。
キレイなお姉さんたちが爽やかに微笑んでいるCMとは違った、それぞれの会社の「素顔」が見えるかも。
相手の正体。知っていると知らないとでは、大きく違ってくるものだ。

ただし、この本が出版されたのは2004年。
その後、サラ金業界を取り巻く環境は変化した。
それを念頭において、読んでほしいと思う。
くれぐれも、ご利用は計画的に、である。

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