春はあけぼの殺人事件
- 大和和紀
- 講談社
- 714円
書評/歴史・時代(F)

★★★☆☆
田辺聖子氏の「むかし・あけぼの」を読んでから、私は清少納言と定子中宮のファンになった。逆に紫式部をちょっと嫌いになったりした。しかし、源氏物語は面白い。当然、著者の「あさきゆめみし」も大好きである。
本書はコミック文庫である。
表題の「春はあけぼの殺人事件」は、闊達で物怖じしない清少納言らしい物語だ。
あるとき、一条天皇の母、女院のいる梨壺に鬼が現れるという噂がたち始めた。鬼だの幽霊だのを信じない清少納言は鋭い観察力で鬼の正体を暴いてみせる。
「さすが!清少納言!」とかけ声のひとつもかけてみたくなるほどの活躍。
定子中宮も一条天皇も美しく、散りゆく直前の華やかさを感じた。
同時に収録されているのは「レディミツコ」
時は明治。商家の娘である光子は、オーストリアの伯爵ハインリッヒと恋に落ちる。国境も人種も越えた恋である。なんの壁もないはずがない。いろんな人間からの嫌がらせや、想いが通じない悲しみ。
こちらは実話を元に描かれた作品。
両作品とも、読み応えのある作品である。
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