★☆☆☆☆

2009/06/10

マリー・アントワネットの生涯

マリー・アントワネットの生涯
著者:藤本ひとみ
★☆☆☆☆

映画にもなったマリー・アントワネット。
その映画を観て、マリー・アントワネットに興味を持って、この本を手にした。
で、がっかりした。
著者はマリー・アントワネットが嫌いなんだろうなぁ。本の中ではすっごく悪賢く立ち回るしたたかな女性として書かれている。いいところはひとつもないよ~的な書き方だ。

映画を観ていて、マリー・アントワネットは政治的なことには手を染めてないのかなぁと思っていたのだけれど、結構、あれこれ策を練って動き回っているみたいだ。ここに書かれているのが本当であれば、ね。

読んでいて、最初っから何だか違和感があって、読みにくい文体に辟易していたんだけれど、なんとか半分以上は読んで、最後の4分の1くらいを残して投げ出してしまった。
申し訳ない!
これ以上は読めません...。

私とは合わなかったけれど、合う方もいらっしゃるかと思う。いろんな写真や肖像画など、豊富に載っているので、それを見るのもいいかもしれない。ただ、そのために686円(+税金)を払ってもよければ。
私は他のマリー・アントワネットを捜す旅に出ます...。

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2008/11/13

小説イキガミ

小説イキガミ
著者:百瀬しのぶ
原作:間瀬元朗
★☆☆☆☆

ヤングサンデーコミックスでヒットした同名のコミックを、小説にしたもの。
コミックのほうも、3巻ぐらいまで読んだかな。
最初に言ってしまうと、コミックのほうが「まだ」矛盾感を抱かずに読める。
何となく絵にごまかされてしまうというのか....。
文字だと、そのごまかしがきかない。矛盾は矛盾としてしか受け入れられないのである。

このストーリーの中の世界には、ある法律がある。
「国家繁栄維持法」というものだ。
この国の国民は小学校入学と同時に、「国繁予防接種」というものを受けさせられる。これは「義務」である。
その「予防接種」の中身とは...。
ワクチン1,000本に1本の割合(0.1%)で、あるカプセルが混入されており、そのカプセルが混入されたワクチンを打たれた者は、18歳から24歳までの間に、そのカプセルが体内で爆発し、死んでしまうというもの。
カプセルを注入された者には、死ぬ24時間前に役所の役人によって「死亡予告証(逝紙)」が届けられる。
つまり、小学校入学の段階で、1,000人に1人が若いうちに死ぬと決められるわけだ。
もちろん、誰の身体にカプセルが注入されたのかは、逝紙が届くまで誰も知ることはできない。

何故こんなワクチン接種が義務なのか...。
それは、国民がその時期が来るまで「自分が死ぬのでは」という危機感を常に抱きながら成長することになるため、「生命の価値」に対する意識が高まり、より健全な国家意識と倫理観を醸成し....云々と言うことらしい。

で、このストーリーの主人公は、「逝紙(イキガミ)」配達人となった藤本である。
配達人には、役人の中から選ばれたエリートしかなれないそうだ。
藤本は、このイキガミ配達の職務を行いながらも、本当にこの法律がいいものなのかどうかを悩み続ける。悩み続けるが、配達も続ける。

そのイキガミを受け取った4人の24時間を描いたのがこの小説。

さて、前述した法律。現代の日本で、成立しうるものだろうか?
この法律について反対意見を口にすると、「退廃思想者」として、例のワクチンが注入される。
ということは、成立したが最後、この法律をなくすことができないということになるんだよな...と、思うのだがどうだろう?
イキガミを受け取るのは18歳から24歳までの若者。
「生命の価値」を知り、生きている間の自分の時間を1分1秒、大切に生きるというのであれば、特に若者に限らなくても良いだろうに。24歳を過ぎてしまえば、「あぁ、自分は外れだったのか。よかった。」で終わってしまうのでは?
これはたぶん、若者の死を描いた方が、より切なさや、やるせなさがアップするからなのだろうな。

小説を読んでいる限り、この小説の舞台となっている国は現代の日本とあまり変わりないように思える。いじめもあるし、犯罪もあるし(生命の価値に対する意識が高まり...云々の効果があまりない)。
なのに、こんなむちゃくちゃな法律がまかり通っている。
この法律で誰が得をするというのか...。ワクチン会社か?
ともかく、その矛盾点ばかりが気になるのだ。

ま、1つのストーリーの最後で、反対のため立ち上がろうとする男が登場するのが救いかな。また、小学校入学時のワクチン接種を拒む母親も登場する。
普通はそうでしょうよ。0.1%の確率で「死(計算された死)」が当たってしまうかもしれないワクチン接種を、我が子に受けさせたい親がどこにいるっていうのよ。

矛盾点を抱いたまま、その世界に入り込めないで読むと、「あぁ、ここで感動させたいのね」というのが見えてしまうので、余計にしらけてしまう。

コミックはまだ続いているようだが、良い方向へと転換していくのだろうか。それとも、延々と同じようなストーリーが続くだけなのか。
それはともかく、中途半端に同じようなストーリーを並べただけのこの小説はいただけない。

法律による強制的な死亡ではなく、ウィルス等による死だとしてストーリー展開していけば、どうだっただろうな。
あちこちで使われたネタだけど。
ウィルス感染によって死を迎えるんだけど、それが発覚するのが24時間前である、とかさ。ちょっと浅知恵っぽいかな(苦笑)。
矛盾さえ感じさせなければ、それなりに読めると思うんだよね。
だから★1つ。

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2008/10/21

裁判長!ここは懲役4年でどうすか

裁判長!ここは懲役4年でどうすか
著者:北尾トロ
★☆☆☆☆

えっとね...。
面白くないわけではないんだな。
文体も読みやすいし、基本的にワイドショーを観るおばさまたちと同じような野次馬的視点から裁判を見ているから、わかりやすいといえば、わかりやすい。
しかし、ところどころ「?!」と思うところもある。
殺人事件やレイプ事件、痴漢事件などに対する著者の語り口に、心に受け入れられない部分が出てくるのだ。

レイプ事件では、被害者本人の証言の際などには、傍聴者を退場させることが多いらしいのだが、「そこが一番聞きたいところなんだよ!」と言ってしまうあたり、事件の重さを認識しているのかどうか、疑問に思う。
痴漢事件での傍聴談のところでも、「ぼくも以前、一度でいいからチカンをしてみたいと思って何日間か電車に乗り込んだが...」と書いてしまうし。
やはり、視点のレベルの低さを感じるんだよね。
逆に言えば、その視点の低さによって、裁判所というものの敷居をも低くしてくれているのかもしれない。

でも、不快感はぬぐえないなぁ。
ワイドショーなどでも何度か取り上げられた幼児殺害事件の傍聴の際にも、「こんな事件の裁判を傍聴してみたかったんだよな。面白そうだな。ラッキー♪」といったようなノリで語られてしまうと、やはり不快だよ。
あえて、そういう口調で語っているのか、本音なのかはわからないけれどね。

いろんな種類の裁判について、(あくまでも著者の視点ではあるが)語られているので、裁判員制度導入の前に読んでおくのも悪くはないかなとは思う。
ただ、読む側の姿勢によっては、「面白い」「面白くない」、「愉快」「不愉快」の評価が綺麗に分かれる一冊だろう。

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