121)法律・裁判・詐欺etc.

2009/03/19

裁判長!これで執行猶予は甘くないすか

裁判長!これで執行猶予は甘くないすか
著者:北尾トロ
★★★★☆

以前に記事にした「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」と同じ著者の作品。
前作は、著者の書き方が好みに合わなかったということで、★1つだった。
しかし、この作品は、前作とは著者の取り組み方というか、裁判の見方が変わってきた気がする。茶化しているような、あるいは初心者丸出しのふざけたような文章がなかったのだ。
読んでいて不快感を覚えるようなところも、なかった。

新聞にも載るかどうかわからないような小さな裁判の様子を、人間自体の観察を中心に描いていて、自分が法廷で傍聴しているような感覚にもなる。

世の中にはいろんな罪で裁判の被告人となる人がいるんだなぁと改めて思う。罪から逃れようとする見苦しいヤツ、罪は罪として償いますという潔いヤツ、自分が何をしたのか理解しているのか判断不能なヤツ、ホントに人生いろいろだ。
盗聴器を1億個も身体に埋め込まれたと主張する被告人には、驚いた。本気なのかどうかよくわからない。

裁判官、検察官、弁護士、被告人、時には被害者、そして数々の証人のみなさまが繰り広げる人間模様。それが裁判所には溢れているようだ。

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2008/11/02

示談交渉人-交通事故の恐るべき舞台裏

示談交渉人―交通事故の恐るべき舞台裏
著者:吉田透
★★★★☆

以前にご紹介した「交通事故示談屋」と同じ著者の本である。
この本の帯に、次のような文句が書かれている。
「事故れば地獄、その後の示談はなお地獄!!」

以前の書も含めて、この2冊で私が学んだのは、事故を起こしても、または事故に巻き込まれても、必ずしも保険会社が示談交渉してくれるわけではない、ということだ。

また、保険会社=保険代理店ではないということも知った。
多くの保険会社では、保険代理店に交通事故の示談行為を認めていないとのこと。

理由は、まず「保険会社の利益確保のため」。
代理店が示談をすることによって、保険会社の利益を損なわないようにするためということ。

二つ目は「弁護士法に抵触するため」だそうだ。
簡単に言うと、弁護士以外の人間が金をもらって法律行為をしてはいけない、ということらしい。
報酬を受け取って、交通事故に関わる調停だのなんだのに手を出してはならないということだ。

ならば、保険代理人の代わりに保険会社が示談交渉してくれるのか?
これも眉唾もののようだ。
保険会社は、ただマニュアルにのっとって、事務的に作業を進めるのみのように思える。
個々の諸事情には、全く構うことなく。
現場に赴いたり、顧客と顔を合わせず、電話のみの対応で終わることもあるようだ。

筆者は報酬なしで示談交渉に挑んでいる。自分の顧客のために。
筆者は、いわば自分の雇い人である保険会社と悶着を起こしてでも、顧客の権利を守ろうとしている数少ない保険代理人なのかもしれない。

交通事故。これ自体、確かにショックな出来事である。
その後に続く示談交渉。これは継続的な緊張を強いられる状態。
人身事故ともなれば、その心中は決して穏やかになるようなことはないだろう。
このような状態で、自分自身が示談交渉をしなければならないのか?
この交渉を保険会社がしてくれないとなれば、何のために保険に加入しているのか?

以前紹介した本と、この本。
車を運転される方は、是非一度読んでいただきたいと思う。
様々な事例を通して、保険会社と保険代理店、加害者、被害者の姿が見えてくるからだ。
万が一、自分が事故を起こした場合、自分が事故に巻き込まれた場合、そして、保険代理店を選ぶ基準を学ぶために、必ず役に立つと思う。
事故後のただでさえ冷静でいられない場所で、頼りになる保険会社(代理人)がいないとなると...。
非常に怖くなる。
私の保険代理店の方は、大丈夫だろうか...?

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2008/10/21

裁判長!ここは懲役4年でどうすか

裁判長!ここは懲役4年でどうすか
著者:北尾トロ
★☆☆☆☆

えっとね...。
面白くないわけではないんだな。
文体も読みやすいし、基本的にワイドショーを観るおばさまたちと同じような野次馬的視点から裁判を見ているから、わかりやすいといえば、わかりやすい。
しかし、ところどころ「?!」と思うところもある。
殺人事件やレイプ事件、痴漢事件などに対する著者の語り口に、心に受け入れられない部分が出てくるのだ。

レイプ事件では、被害者本人の証言の際などには、傍聴者を退場させることが多いらしいのだが、「そこが一番聞きたいところなんだよ!」と言ってしまうあたり、事件の重さを認識しているのかどうか、疑問に思う。
痴漢事件での傍聴談のところでも、「ぼくも以前、一度でいいからチカンをしてみたいと思って何日間か電車に乗り込んだが...」と書いてしまうし。
やはり、視点のレベルの低さを感じるんだよね。
逆に言えば、その視点の低さによって、裁判所というものの敷居をも低くしてくれているのかもしれない。

でも、不快感はぬぐえないなぁ。
ワイドショーなどでも何度か取り上げられた幼児殺害事件の傍聴の際にも、「こんな事件の裁判を傍聴してみたかったんだよな。面白そうだな。ラッキー♪」といったようなノリで語られてしまうと、やはり不快だよ。
あえて、そういう口調で語っているのか、本音なのかはわからないけれどね。

いろんな種類の裁判について、(あくまでも著者の視点ではあるが)語られているので、裁判員制度導入の前に読んでおくのも悪くはないかなとは思う。
ただ、読む側の姿勢によっては、「面白い」「面白くない」、「愉快」「不愉快」の評価が綺麗に分かれる一冊だろう。

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2008/10/16

イマイと申します。-詐欺を追いつめる報道記者

イマイと申します。―詐欺を追いつめる報道記者
著者:日本テレビ「報道特捜プロジェクト」
★★★★☆

沖縄では日本テレビの番組は、イレギュラーな時間帯に放送される。
たとえば、「ザ!鉄腕!DASH!!」は、土曜日の夕方に放送されるし、「世界一受けたい授業」とかは、放送時間があまりにあちこち変わるので、しょっちゅう見逃してしまう。
なので、この「報道特捜プロジェクト」も沖縄で放送されたかどうか、よくわからない。
少なくても、私は見た覚えがないんだよね...。
で、なぜこの本を手に取ったかというと、フジテレビのスマスマで、「ナマイ記者」というコーナーを知っていたからなのだ。冷静な中居くんと、追い詰められて慌てふためく香取くん。この2人のやりとりが面白かった。
この元ネタが「イマイ記者」だと知ったので、興味を持ってページをめくってみた。

いやいやいや、これほどまでにぶっ飛んだやりとりがなされているとは...。
騙す方も、いろいろなんだな。
世界をまたにかけて詐欺行為をしているグループもあれば、20歳そこそこの若いヤツらが3,4人集まって、ちょっと儲けてみようか的な雰囲気で軽~くやっちゃってるグループもある。

ネタは海外の宝くじだったり、架空請求だったり、懸賞詐欺だったりするのだけれど、なんか騙すならちゃんと準備しろよ~ってツッコミたくなるようなものもあった。
番組の視聴者から送られてきたハガキをもとに、イマイ記者が懸賞詐欺の会社へ電話をする場面があるのだが、詐欺会社が「お名前は?」と訪ねる。もちろん、そのハガキはイマイ記者に送られてきた訳ではないのだから、会社の方に登録はされていないはずだ。
しかし、詐欺会社のオペレータは言う。「イマイ様ですね。お客さま、見事A賞のほうでご当選なさったということで、こちらに、通知のおハガキのほう、送らせてもらったんですね。」と...。
ハガキの送付先くらい、メモっとけよ!って思うのは私だけだろうか...?

スマスマの「ナマイ記者」と違うところは、こちらは報道魂のこもった取材を続けているところだ(当然だが)。
住所や電話番号を相手方から聞かれた場合も、嘘をつくことなく、いろいろと工夫をして相手の懐に飛び込んでいく。どんなに脅されても、呆れられても、なだめられても、無視されても、相手の正体を暴くため、執念深く追いかけていく。時には海外まで。

詐欺グループとイマイ記者とのやりとりには、笑わされる部分もたくさんあるが、詐欺の手口を報道するための真剣さを感じた。
ただ本書は、相手方との丁々発止のやりとりのほうがメインテーマで、手口の解明等にはそれほど触れられていないようで、そこは少し残念。
でも、読んで損はしないと思う。
薄いし、価格も手ごろ(400円+消費税)なので、ちょっとした空き時間にでも読んでみてはいかがだろうか。

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2008/10/14

私をクレーマーと呼ばないで

私をクレーマーと呼ばないで
著者:多田文明
★★★☆☆

以前にご紹介した「ついていったら、こうなった-キャッチセールス潜入ルポ」と同じ著者の作品である。

「クレーム」というのは、本来「(当然の権利として)要求する。(注意を)求める。」といった意味があるそうだ。
しかし、現在の使われ方というのは、「いちゃもんをつける」という意味合いが強い。
自分のことだけを考えて文句をいうのと、相手の企業(店舗)の将来を思って意見を述べるのと、ごっちゃまぜに「クレーム」と呼んで、「クレーム」という人は「クレーマー」として、企業(店舗)から嫌われる対象となったりするのは、おかしいような気がする。

店などで、買い物中に少し嫌な思いをしたとする。
それに対して相手方にクレームをいうのは、自分のためだけではなく、相手方のためにもなるはずだ。
同じように嫌な思いをする客を減らすことができるし、店にとっても客の意見を正しく受け止めることはよりよい営業につながることになるだろう。
客からのクレームを、ただの「いちゃもん」だと決めつけ、ただひたすら右から左へ流すような店は、遅かれ早かれ消えて行かざるを得ないと思う。それなのに、その消えていってしまうような店舗(企業)から「嫌なヤツだ(または細かいヤツだ、ウザいヤツだ)」と思われることを恐れるあまり、何も言えないといったことがよくある。
自分だけが嫌な思いを飲み込んで、相手は何事もなかったかのように同じような対応を続けていく。なんだか少し悔しいな。

しかし、クレームも、ただ言えばいいというものではない。
クレームの付け方にもテクニックがあるのだ。
本書を読むことで、そのテクニックを習得できる(たぶん)。
同じ内容についてクレームをつけるにしても、いろんなアプローチ方法があるのだ。
悪質な「クレーマー」となるか、良質な「クレーマー」となるかは、そのテクニック次第。

自分のクレームが相手に本当に受け入れられて、その不備が改善されるか。
これにもテクニックが必要だし、それにプラスして忍耐力も必要になる。
改善が見られるまで、相手に要求し続けていく。
相手に一方的な悪意をもたれない「しつこさ」。
あきらめないこと、これが大事だと思う。

サービスの質を向上させていくためには、消費者のクレーム(意見・要求)を言う勇気も、それを受け入れる企業の努力も必要である。
クレームを全く言わないというのも、社会のためにはならないということなのだ。不作為の罪といったところか。

モンスター・ペアレンツやモンスター・ペイシェントなどが話題となる昨今。
自分が「モンスター」になることなく、クレームを付ける方法を学んでおくのも、大切なことかもしれない。

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2008/10/12

交通事故示談屋

交通事故示談屋
著者:吉田透
★★★★☆

私が住んでいる沖縄は、電車というものがない。
ある程度の距離になると、移動手段はバス、タクシー、または自家用車がメインである。
私も車を運転するようになってから12年ほど経った。
その間、事故を起こしたことがないといえば嘘になる。
急ブレーキを踏んだ車に後ろから追突してしまったり、雨の日にブレーキの効きが悪くなり前の車にコツンとやってしまったりした経験がある。
幸いにもこの2つのケースでは、相手の方が見逃してくれたので助かった。
(1番目のケースでは、私の軽自動車のほうが破損がひどかった(^^;)
また、実家の敷地内で親戚の車にぶつけたり、電信柱にこすったり、結構ひどいものである。
それでも、まだ事件になるような交通事故を起こしたことがないのは、単に運がよかったからかもしれない。

もし、もめるような事故を起こしてしまったり、巻き込まれたりした場合、どうしたらよいのだろう。
正直言って、どう対処したらいいか全く見当がつかない。
でも、そのような事故に遭う可能性は、決して小さくないのだ。
そこで、本書を手に取ってみた。
実際に起きた事故というのは、どのように解決されていくのかを知りたかったからだ。

保険の代理店をされている著者が記したのが本書。
ご自身が体験した事故の対応について、本当に様々なケースが具体的に書かれている。
中には自分がもしこんな事故に巻き込まれたら...と考えただけで背筋が寒くなるような事件もある。

保険代理店選びというものが、こんなに大切なものだとは思わなかった。
誰が対応してくれるかによって、それこそ天と地との差があるものだ。
そして、どの会社にするか。
これも大事な問題である。

親戚から、あるいは友人から頼まれたから加入した。
そんな代理店選びでは、後悔することになるかもしれない。
本職の片手間に副職として代理店業をやっているようなところだと、いざというときに本腰をいれて対応してくれない可能性が高いこともわかった。
著者のように、交通事故に関しての知識も経験も豊富で、信頼できる代理店に出会えるといいのだが。

事故の当事者となった場合、自分自身の対応の仕方によっても結果が大きく違ってくることもある。
いろんな事例を知って、どのように対応するのがベストなのか、勉強することも大切だ。
そういう意味で、本書はとても役に立つ1冊である。

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2008/09/17

ついていったら、こうなった-キャッチセールス潜入ルポ

ついていったら、こうなった―キャッチセールス潜入ルポ
著者:多田文明
★★★☆☆(できれば3.5ぐらいにしたいかな)

街でティッシュ配りに出会っても、ついつい避けてしまう私。
そんな私から見れば、著者の行動は尊敬に値する。
自らを「キャッチセールス評論家」と名乗るだけあって、結構いろんな体験をなさっていらっしゃるようで...。
ほとんどの方は、興味はあってもどんな目に遭うかわからなくて無視してしまうのではないか。
だが、著者はあえてそこに突っ込んでいく。
これは怪しいな、と思うとついて行くのである。
特別に裏はなさそうだなと思えば、スルーしていく。

テレビでよくキャッチセールスについて行ったら...的な企画があったりするけれど、それよりも体験されたご本人の言葉で書かれているこの本は、読み応えがあるというか、生々しいというか...。
とにかく一気読みしてしまった。

私の住んでいる沖縄では、それほどキャッチセールスっていない気がする。
周りの人たちからもそんな話は聞かないし。
「署名をお願いします!」っていうのは多いけれど。
都会の人たちは、よく声をかけられたりするのだろうか?

「手相の勉強をしているのですが、手相を見せていただけますか」といわれ、ついて行ってみたら...。
「無料のエステサービスをやっています」といわれ、ついて行ってみたら...。
街頭で「署名をお願いします」といわれ「何に使うんですか?」と聞いてみたら...。
行き着く先は「有り金巻き上げ」か、「小金集め」か、はたまた「宗教入信」か。

著者が途中でブチ切れてしまったり、弱気になったりして、正体がわかる前に終わってしまうものもいくつかあったので、そのあたりは少し消化不良気味。

20件のケースが掲載されているのだが、このうち実は私がひっかかったのが2件あった(^^;

まずは「頭の回転がよくなるテープ」。
これは購入した書籍に挟まっていたハガキをみて、ちょっと興味があったので資料請求してみたのだ。
そしたら、その後何ヶ月も勧誘の電話がひっきりなしにかかってきて、あげくに家族にも散々しかられ、懲りてしまった。
CDか何かが送られてきたとはおもうのだが、どんなモノだったのか記憶がほとんどない。
ということは、魅力も効果も感じられなかったのだろう。

もう1つは「幸運のペンダント」。
雑誌の広告を見て、なんとなく効きそうだし、ほどほどの値段だし、ちょっと試しにと思って購入した。
結局、数ヶ月もたたないうちに失くしてしまったが、特に不幸にも幸福にもならなかった。
が、その後、処分するのが面倒になるくらい同じ系統のダイレクトメールが山のように届いて困った。

ま、いい経験だったといえばそうかもしれない(苦笑)。

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2008/09/09

弁護士というお仕事

弁護士というお仕事
編者:別冊宝島編集部
★★★☆☆

一昔前のドラマや小説に出てくる弁護士は、スマートでクールでリッチなイメージである。今でこそ少し人間味のある弁護士もドラマの主人公に出てくるようになったけれど、それでもまだ普通の人とは違う雰囲気があったりする。
ごく普通の一市民である私は、本物の弁護士さんにお会いすることもほとんどなく、裁判所なんてところに個人的にお世話になったことはない(仕事では何度か足を運んだことはあるが)。

本物の「弁護士」という方々はどのようなことを考え、どのようなお仕事をしているのだろうか。
この本には、ホントにいろいろな弁護士さんが出てくる。
本職の弁護士さんが書いているプロローグの題が「なぜ弁護士はヤクザに似ているのか?」である。
弁護士とヤクザ。そうか、似ているのか...。ホントか?
このプロローグから引用してみると、そうかもしれないと思う。

「貸金返還請求、売掛代金請求、請負代金請求などと独特のジャーゴンで彩られてはいても、それはようするに『債権取り立て』であるし、損害賠償請求の実質は『示談』、建物収去土地明渡請求なる下を噛みそうなネーミングで表現されるものの実態は、『地上げ』であり、『債務整理』に至っては、弁護士用に、とくにこれを堅苦しく言い換える言葉自体がない。」

とある。なるほど、そうか...。
要は、目的を成し遂げるための手段を法に則って行うか、手っ取り早く暴力で行うかの違いなのかもしれない。

弁護士会から懲戒処分を受けた弁護士、自ら詐欺にあってしまった弁護士、プロ野球選手の契約更改に初めて代理人として交渉した弁護士(ちなみにこのプロ野球選手は元ヤクルトの古田監督である)、ケンカの勝ち方を指南する弁護士、いろいろと登場する。
知事の交際費公開請求や軍法会議の再審請求のような社会的な事件も出てくれば、浮気の証拠の見つけ方とか借金苦の母子の債務整理の話なども出てくる。
どれもみんな興味深い。
新聞で読むような裁判の内側を少しのぞき込めたような気がする。
自分とは関係ない遠くの世界のことだと思っていたことが、少し身近に感じられた。

弁護士が少ないことで有名な島根県の弁護士さん達のエピソードも登場する。
ある裁判での被告側代理人弁護士と原告側代理人弁護士と裁判官。
次の裁判でも同じ3つの顔が並ぶ。
ただ、「被告側」と「原告側」だけが入れ替わっているだけ。
ということもあるのだそうだ。
やりにくそうだな(苦笑)。

弁護士事務所の裏側もちらりとかいま見える。
事務員さんによって、弁護士の負担がとてつもなく多くなったり、少なくなったりとか。
夫婦で弁護士事務所を開いている家庭の内情とか。
あ、そうそう。
独身の男性弁護士は、堂々と職業を名乗るけれど、女性弁護士となると逆に職業を隠そうとするらしい。
また、既婚の女性弁護士も、あえて「独身」だと依頼者に思わせるように努力することもあるのだそうだ。
やはりまだ、女性は仕事より家庭だという先入観は浸透しているのかな。

日弁連の派閥抗争なんて、そんなものあることさえ知らなかったぞ。
政治家と変わらないではないか。
名誉職に就きたがる人間はどこの世界にもいるものなんだ。

恐喝未遂で逮捕された元山口組顧問弁護士自身が著した「実録!」は、非常に興味深かった。
弁護士という人々も、当然だけれど、非常に人間くさいものだな。
法律も大切だが、情も大切なのである。
建前と本音、上手く使い分けることが重要なのか。

この本、1人の人間の著書ではなく、様々なライターさんや弁護士さんの話が一冊に詰め込まれているのが何よりよいと思う。
いろんな目線で弁護士という職業を見ることができるのだ。
最終的に思ったのは「弁護士だって人間さ」ってこと。
そりゃ、当たり前だ。人間のみの相手をする仕事なのだから。
これから弁護士になろうという志を持っている人、かつて持っていた人、今まさに弁護士であるという人が読まれると、また違う感想を抱くのだろうな。

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2008/09/06

すごい裁判官・検察官ベスト30

すごい裁判官・検察官ベスト30
著者:かなざわいっせい
★★☆☆☆

裁判の様子なんてドラマでしか知らないので、「東京地裁で3000回傍聴している」著者が描く裁判とはどんなものなんだろうと手にしてみた。
ペラペラっと4,5ページめくってみると、ドラマとは違って非常に人間くさい裁判官・検事・弁護士がぞろぞろ出てくるようす...。つい、本を持ってレジへ。
最初の印象通り、確かにおもしろい話が盛りだくさんではある。
しかし、裁判というものを理解しようとして読んではいけない。内容のほとんどが著者の想像(というか妄想?)で占められているからである。基本的には本物の裁判を元にしているのだとは思うが、これも一種のドラマだと思いながら読んだ方がいいかも。
いろんな法律家の方々が登場していて、読んでいて飽きないのだけれど、暇つぶしに読むには1,300円+消費税という値段は高いかな。

最後のストーリーは、本当にドラマチックで少し感動(これが本当のお話だったらね)。

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